コラム インタビュー

映像クリエイター 龍野聖玄インタビュー

映像制作tart

SCBサロン<映像クリエイター編>


地域活性化を目的としたSCBプラットフォームでつながる人のルーツを紐解き、ビジネスや活動への想いを伺っていきます。

今回は、映像制作tart(タルト)代表の龍野聖玄さんにお話を伺いました。

目指していた人からの一言


小さい頃はゴジラがすごい好きで、将来は映画監督になりたいと思っていましたね。

じゃあ、小さい頃から映像とか好きだったんですね。

好きでしたね。映画がすごい好きでした。

でも、小さい頃はそうだったんですけど、いつの間にか忘れていて。

学生時代は建築関係に進もうと思っていました。

高校から専門学校まで建築のことを学んで、最終的には、プロダクトに関わるデザイナーになりたいと思っていました。

では、就活もプロダクトデザインができる会社とかで探されて。

東京にすごい入りたいところがあって、就職活動に行ったんですけど、そこで落ちて。

落とされた理由を聞いたんですよ。

そうしたら、「視野が狭い」と言われたんです。

僕は家具が好きで、家具を作りたいということで、真っ直ぐそっちしか向いていなくて。

「それでは視野が狭すぎて、やっていけないよ」みたいな。

自分が目指していた人たちから言われると、ものすごくグサッときて。

尊敬していた人の言葉だから刺さりますよね。

そこで考え方がすごく変わっていって。

それから2年間ぐらい、バイトをしながら、写真をしてみたり、映像をしてみたり、色々やっているうちに、映像がすごい楽しくなってきて。

そう言えば、映画監督になりたかったよなと。

子どもの頃に好きだった気持ちも思い出されて。

もう一つの好きなことをやってみようかなと思って。

22歳のときに、映像の世界に入りました。

独立を迷った2年間で得たもの


映像の会社に入られた。

熊本の映像プロダクションに入社しました。

そこはブライダルからテレビ関係まで、幅広くやっているプロダクションで。

映像の世界って、上下関係とかが厳しいイメージがあると思うんですけど。

「仕事は、見て覚えろ」的なイメージがありますね。

そのプロダクションはそういうことがあまりなくて、結構、一から丁寧に教えてもらったと思います。

しっかり基礎から鍛えられて。その会社には、どれくらいいらしたんですか。

ちょうど10年いました。

そして独立と。どの時点で独立は意識されたんですか。

大体8年目ぐらいに独立を考えて。

そして、2年間迷いました(笑)

独立を考え始めたキッカケはなんですか。

いくつかあるんですけど。

家族との時間をもっと大事にしたいというのが、一番の理由ですね。

プロダクションでは、働く時間が不規則で、なかなか休みも取りづらかったり、県外に行って、急にそのまま泊まりなったりとかあったので。

その頃には家族もいて、ちょっときついなと思い始めて。

同時に、独立してやっていけるような自信みたいなものも芽生え始めていたんですか。

独立を考え始めた頃は、それがなかったんです。だから、そんな状態でやったら、絶対だめだと思って。

じゃあ、どうすれば良いかなと考えたんですよ。

まず、この会社で一番にならないといけないだろうなと思ったし、この会社の誰もできないようなことをできるようにならないと、きっと独立してもだめだろうと思ったんですよ。

独立のために、何か武器が必要だと。

そのときに流行り始めていたのが、一眼ムービーで。

今までビデオカメラを触ってきた人たちの中には、「そんなものは、映像じゃない」という人もいて、反応は分かれたんですよね。

実際に、会社では誰も取り組んでいなかったのですが、みんなが持っていない新しい技術を持とうと思って、その時期に機材を買って、勉強して。

どうやったら仕事に組み込めるかというのを考えながら、取り組んでいました。

そして、2年間迷いながら、そこから実際に独立に動いたタイミングは何かあったんですか。

一眼ムービーとか、自分にしかできないことを探して技術を磨いていくうちに、自分の作風が決まってきて。

こういう撮り方が好きだなというのが、はっきり分かってきたときに、それを誰もやっていない感じがあったので。

それを突き詰めていけば、差別化できるかなと思って、独立することにしました。

独立して2ヶ月で震災


それで独立されたのが、いつになるんですか。

2016年の2月です。

じゃあ、そのあとすぐに震災だったんですね。

そうですね。びっくりしました。

震災の影響はどうでしたか。

もうはっきり。仕事は全部なくなりました。

あのときは、世の中に本当に必要とされる仕事しか残らなかったからですね。

それで、その時期は土木のバイトをしていました。

やはり家庭もお持ちだし。

そうですね。そこは大事にしたかったので。とりあえず、本業は置いておいて。

それから、どれくらい経って仕事が戻り始めるんですか。

仕事が戻りだしたのは、8月ぐらいからですかね。そして、9月にバイトを辞めたので。

ブライダル系だったり、イベントの撮影だったり、少しずつ戻ってきて、最近は安定してきたかなという感じはあります。

「カメラマン」と「クリエイター」の違い


動画を撮られるときに意識されていること、大事にされていることはなんですか。

動画を作るときに大事にしているのが、相手が何を求めているのかというところです。

撮影を依頼してきた人が違う人に見せたい場合は、「その見る人たちが、何を求めているのか」まで考えないと、撮影依頼者が考えたように見る人から受け入れられるとは限らないと思うんですよね。

その辺りは経験も必要だと思うので、撮影を依頼された方にアドバイスすることもあります。

「こういう感じで作ってみたら、多分こういうリアクションですよ」とか、「見ている人がこういう年齢層だから、こういう作り方をしたら、より見てもらいやすいですよ」とかですね。

オーダー通りに動画を作ると言うよりは、打合せでその作品の意図とイメージを依頼者とすり合わせるのが大事なんですね。

ただ、難しいのは、打合せができないときもあります。

案件によっては、「何時に、どこに来てくれ」という情報しかないときもあります。

それは、準備ができないから難しそうですね。

とりあえず、機材は全部持っていって。

撮影場所に入って、その場でいろいろ話を聞いた上で、こういう感じでいこうかなと決めていきます。

あとは、「お任せ」という場合もありますね。

でも「お任せ」だと、あとで手直しが必要にならないですか。「思っていたのと違う」みたいな。

独立してから、イメージと違うからやり直しというのはないですね。

プロダクションにいた頃はありました。

それは何が違うんでしょうね。

今は口コミが多くてですね。

一度、作品を見てもらった上で来られるので、そこでほぼ間違いがないと言うか。

作風を気に入ってもらっているから、そのイメージに近いものができているということだと思います。

なるほど。作風で選んでもらっているから、「お任せ」でも大丈夫なんですね。

その点、会社にいると、個性をあまり出せないんですよ。

担当者の個性を出すと、差がついてしまうので、一定にとどめておく必要があります。

会社としては、品質を揃えないといけないので。

その個性を出せるのが「映像クリエイター」ですよね。そして、自分の作風で選んでもらえる。

そうですね。プロダクションにいた頃は、肩書きはカメラマンだったので。

その辺りは独立して、変わったところだと思います。

動画撮影をもっと日常に


今後どういったことに力を入れていきたいとか、目標みたいなものはありますか。

独立するときに一番思っていたのが、「子どもとか、家族を撮りたい」ということでした。

そして、どうすれば映像を撮ってもらうことがもっと一般的になるかなと、いつも考えています。

現状は、プロに映像を撮ってもらうのは、結婚式のときぐらいという人が多いかもしれないですね。

そうなんです。映像を撮ってもらうということが、まだまだ根付いていないと思うんですよね。

だから、動画撮影がもっと身近なものになってほしいなと。

そのハードルになっているものは何なんでしょうね。

色んなハードルがあると思うんですけど。

一つは、値段が分からないということがあるのかなと思います。

確かに、相場みたいなものが想像しにくいかもしれないですね。

そうですよね。だから、独立するときはその辺りを考えて、名刺の裏に料金表を入れてしまいました。

あとは、周囲で映像を作っているような人が少ないということがあって。

そもそも、映像を頼むということ自体、あまり知られていないと思うんですよね。

選択肢として浮かばないと言うかですね。身近な色んなシーンでもプロに映像を頼めるというのが、まだ新しいのでしょうね。

ここ半年ぐらい写真屋さんと一緒に、子どもの誕生日撮影会というのをやっています。

ご家族を何組も呼んで、1時間交代みたいな感じで撮影するのですが、これは僕のやりたいことが一つ形になっていることなんです。

そうやって、写真スタジオに記念写真を撮りに行く感覚で、もっと気軽に「映像を撮ってもらおうか」という風になってほしいなと。

それが僕の夢ですね。

映像制作tart

http://becomenaturalgift.wixsite.com/art-director-portfol/about-contact


<SCBサロン>

SCBサロン

写真撮影:水本浩一、Shoca

PA:中村美貴

ファシリテーション:内藤豊