コラム インタビュー

復興Project大津「カセスル熊本」吉田知司、金田英樹インタビュー

熊本者(くまもとモン)GO


ごく普通の人からちょっと変わった人まで、色んな熊本者にお話を伺っていきます。

そのテーマは「熱」。
情熱を注いでいること、目標に向けて努力していること、今ハマっていることなど、自由に語っていただきます。

カセスル熊本

(くまもとモンNo.5、No.6)

吉田 知司、金田 英樹

大津町

錦野郵便局長、大津町議会議員

復興Project大津「カセスル熊本」のはじまり


カセスル熊本は、もともと大津町の地域活性化を目的にした集まりだったんですよね。

金田:熊本県の市民活動への助成制度「くまもと里モンプロジェクト」で集まった仲間が主な母体です。

2015年度、大津町から県内で2番目に多い16件が採択されて。そのあと、地域おこし協力隊の方々なども交え、連携会議や懇親会をしたりしていて、メッセンジャーのグループなどで、無理なく、適宜つながっていました。

そこに、役場や社共の職員さん、大津出身で市内在住の仲間などがどんどん加わっていって。

その最初の地域活性化の活動は、どれくらい前から始まったんですか。

吉田:一昨年の2月頃でしたかね。

そのときは、それぞれ地域活性化のプロジェクトをされていたんですか。

金田:吉田さんは空き家の利活用プロジェクトをしていて。僕は地域行事などを通して、町の活性化をしていました。

吉田:あとは、からいもの農家さんもいるので、その製品作り。

金田:尚絅大学の学生さんたちと協力して、からいもの離乳食を作りました。

そういったプロジェクトは、もともとベースとなる「つながり」が何かあって、始まっていったんですか。

吉田:金田さん側の集まりの流れと、僕の集まりの流れは違って、あとで出会った感じなんですよね。僕のほうは、もともとは、熊本市内の繁華街で飲んで大津に代行で帰る会を作ろうと思って。(笑)

代行で大津に一緒に帰ろうの会。

吉田:結局、僕は熊本市内の育ちで、仕事で大津に来て、大津をまだよく知らなかったというのもあって。それで、大津に住んでいて、街(熊本市内)で遊んでいる人をつないで、こっちに一緒に帰って来ようよの会を始めたんです。そのあと、それが大津で飲もうの会になって。

なるほど、そうなりますよね。

吉田:そこで、偶然、20代の芋農家さんと知り合って。『なかせ農園』さんという、メディアとかにも出ている面白い方で、その方が「大津に面白い人がいるよ」と言って、金田さんを紹介してくださったんです。

そこから金田さんにつながるんですね。

吉田:それで金田さんと会ったときに、「地域活性化をやりたいんだったら、こういうのもあるよ」と、里モンプロジェクトを紹介されて。じゃあ、やってみましょうかねと。

金田:僕のほうは、また別で、青年会議所にも入っていたんですよ。それでそのメンバーの一人と「hako」という団体を作って、定期清掃活動や、年末のお寺での年越しヤキソバ、夏祭りでの竹あかり等を実施していました。

そうした中で県の里モンプロジェクトに着目して、これは良いなと。そこで、せっかくの助成制度なので、大津町内の色々な個人や団体の方々にもご紹介しているときに、吉田さんと出会いました。

それで2015年度は、里モンプロジェクトとして地域活性化の活動をされて。

吉田:そうですね。それが3月末に終わって、来年度また新しいことをしようかと話しているうちに、地震が起きて。里モンプロジェクトのときのメッセンジャーグループが残っていたので、何かできないかという話になって。

金田:役場さんでは業務が手一杯だったり、色んな調整が大変だったりで、機動的に動くのが難しいところもありますよね。一方で、支援をしたいけど、どこに問い合わせれば良いか分からないという外からの声も多くありました。そうした中で、町内に中間支援の窓口的なところがあったほうが良いんじゃないかという話になりました。

吉田:これ一個あると、動きやすくなるよねと。

金田:支援したいけど、被災地でどこに話をして良いか分からない。それでインターネットなり、人づてなりで「カセスル熊本」を聞きつけて来られて。

物を提供させてほしいとか、被災者の心のケアをさせてほしいとか、カセスル経由で話をさせてもらってコーディネートさせてもらっていました。また利用は少なかったのですが、ボランティアビレッジ(簡易宿舎)も立ち上げました。

平時のつながりが緊急時にライフラインになる


団体を運営される中で、決めているルールみたいなものはありますか。

吉田:定例会を開く。そして、来れる人が来ましょうということでしょうか。

無理をせずに。

吉田:そうですね。そのときにホットな気持ちを持っている人が集まるので。それで盛り上がっていくこともあると思うし。

金田:結局は、強い思いがあって、話を持って来た人が責任者になって、ある程度、コミットすることになるので、宙ぶらりんになったことは今のところありませんね。

「やりたい」っていう言い出しっぺがいて、それを支える仕組みがベースになっているんですね。

金田:そうですね。

吉田:会社組織とかになると、モチベーションをケアしないといけないこともあると思うんですけど。カセスル熊本に関しては、責任を持ってやりたいという人が集まっているから、そこをケアする大変さはないですよね。

それで、僕らがそれを”かせする”という方法でやっているので。負担は減らしながらも、動きやすい組織だと思います。

定例会の頻度はどれくらいなんですか。

吉田:以前は毎週集まっていたんですけど、今は少し落ち着いてきて、2週間に1回にしています。

定例で集まるときは、テーマとかアジェンダみたいなものがあるんですか。

吉田:ないですね。動きがあるときは「今回はこの話をします、次回はこの話をしましょう」となるんですけど。会議は雑談が主で、そこから拾い上げる形なんですよね。

特に何もないときでも、とりあえず集まって、話をしているうちに大事な話が出てくることがあります。

だから、これは続けていきたいですね。復興関係じゃなく、地域活性化のプロジェクトでも、同じような定例会をやっていきたいと思っています。

震災前の里モンプロジェクトのときは、定例の集まりはなかったんですか。

金田:里モンのときはなかったんですよね。メッセンジャーのグループで情報共有はありましたが。一部メンバー同士でのプロジェクト支援やミニ会議が主で、一同に介してというのは懇親会を数回やったぐらいですかね。

なるほど、そういう意味では、定例会でのコミュニケーションは新たな発見だったんですね。

吉田:そうですね。

金田:あとは、そもそもがみんな顔見知りになっているので、町で会ったときに個別で相談したりとか。

そっか、町で会うんですね。ジャスコとかね。

吉田:そうそう、ばったり会って、立ち話で10分ぐらい話したり。

金田:だから、普段のつながりって大事ですよね。震災が起こったからといって、急に集まって何かしようとしても、自分のこともある中で、なかなか難しいと思うんです。

カセスル熊本は、たまたま作っていた母体があったので。やはり、平時が大事なんだなと思いますね。

それが緊急時にはライフラインとして機能すると。

吉田:ですね。そして、もともと色んなモチベーションが高い人間が集まっちゃいるので。

だいたい、物好きの集まりですよね。仕事以外で集まって地域活性化をやりたいっていう。

吉田:そうそう(笑)、そういう面白い人の集まりではあるからですね。

地域活性化だったり復興支援だったりと、色んなプロジェクトをされてきて、団体運営のコツだったり、何か今後に活かしていけそうな学びはありますか。

金田:組織体という意味で言うと、やはりヘッド、責任者が大事なんですよね。それを踏まえて、一人じゃ難しいけど、二人、責任を取って最後まで動くという人がいれば、何とかなるというのは強く思います。

一人だと厳しいときがありますか。

金田:絶対に動けないときもあるじゃないですか。

本業じゃないですからね。

金田:そうです。先ほど話した「hako」という団体でも、もう一人いるんですよ、相談できる人が。そこでお互い支え合いながら、できているような感じです。

あとは、活動の意味付けみたいなものを大事にしていますね。

目的みたいなことですか。

金田:色んな活動の話が出るけど、結局それを何のためにやるのか。他の団体が行う復興支援の活動もある中で、自分たちが本当やるべきことなのか、意味のあることなのか。その辺が腑に落ちてないと、気持ちは絶対に乗ってこないと思うんです。

何よりそこを外してしまうと、自己満足に陥る恐れもあって。本人たちは意味のあるつもりで全力でやっているけど、受け手はそれを求めていなかったり。

やろうと思えば活動としてできることはいくらでもあるんですが、この時期になると「真に、地域と被災者のためになる支援活動って何なんだ」というのは、難しい問いですね。

吉田:またこの段階に来て、なおさら分からなくなるというのはありますね。だから仮設にずっと入ってボランティアしている方に来てもらって、アドバイスを頂いたりもしています。そこの現場の声とか、逆にこんなことをしたいという外部からの話も聞いたり。

時間と共に求められることも変わるでしょうし、問い続けて目的を確認するのは大事なのかもしれませんね。今の段階で決まっている次の活動は何かありますか。

吉田:5月に仮設住宅で、独居の方と赤提灯居酒屋でのコミュニケーションの場を作りたいなと考えています。 あとは、防災士を交えてのロケットストーブ講習会と防災バーベキューも予定しています。

そうした活動と並行して、今後は地域活性化の活動もやっていかれるのでしょうか。

吉田:みんな、最近はだんだんと「町のこと、地域おこしもやりたいね」と言い出していますね。

金田:今からの時期は、地域おこし的なところも含めて、復興ですからね。

吉田:本当は震災のほうは終息していくのが好ましいというかですね。早く平時のほうに戻っていければ良いなと思っています。


カセスル熊本

復興Project大津『カセスル熊本』

https://www.facebook.com/kasesuru.kumamoto.ozu/

※記事のお写真は吉田さんにご提供いただきました。

クラクラ佐藤
(レベル7)