コラム インタビュー

Well-Being代表 平井孝道インタビュー「公認会計士になる過程で生まれた教育事業」

熊本者(くまもとモン)GO


ごく普通の人からちょっと変わった人まで、色んな熊本者にお話を伺っていきます。

そのテーマは「熱」。
情熱を注いでいること、目標に向けて努力していること、今ハマっていることなど、自由に語っていただきます。

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(くまもとモンNo.4)

平井孝道

熊本市

日本公認会計士協会準会員

公認会計士になる過程で生まれた教育事業


公認会計士になろうと思われたのは、いつ頃なんですか。

最初の動機は、高校のときです。中学生のときから実業家になろうと思っていて、そのためにどうしたら良いかと、ずっと考えていたんですよね。

そうしたら、高校の先生が、公認会計士という仕事があるよと。経営者とかと直接話ができるし、ビジネスも学べる職業だという話をされて。「なるほど」と思って。

それで大学に行って、公認会計士の勉強をしてみようかなと。ただ、せっかく大学に入ったので、青春を謳歌しないとと思って、大学時代は簿記3級を取って満足して、あとはバイトとかサークルとか、普通の大学生をしていました。

では大学卒業後に、本格的に会計士の勉強をスタートされるんですか。

卒業したあとに、会計士になるための専門学校に通いました。

専門学校は2年コースというのがあって、それは東京だったんですけど、東京にいたのではお金がかかるので、そのあとに熊本へ戻ってきて、そこからまた勉強を続けるという感じでした。

勉強の流れとしては、簿記1級まで取って勉強されていくんですか。

はい、熊本に帰ってすぐの頃には、簿記1級まで取りました。

それで、簿記の1級を取ると、先生のアルバイトがあるので、その頃から、水道町にある資格の学校で簿記の講師をしながら、勉強を続けるようになりました。

試験で成果が出る人と出ない人の差


公認会計士の試験はどんな感じの試験なんですか。

科目が全部で8科目ぐらいあります。

5月に一次の択一式の試験があって。それを突破すると、8月の最終の論文試験に進みます。

勉強の進み具合はどうだったんですか。

これが問題でして。

一次の択一式は熊本に帰ってきた3年目には突破できたんです。ただ、最終の論文になかなか受からなくて。その後さらに5年ぐらいかかりました。

論文の勉強って、どんな勉強になるんですか。

そうなんです。ここが、教育事業に行こうと思ったキッカケなんですけど。

科目も多いので、結局は反復で。今振り返ると、小学校からやっているような勉強しかやっていなかったんですよ。

会計士の試験は科目別に合格するんですか。

いえ、科目別合格はないです。だから、全部勉強しないといけないので、膨大な量になるんですね。

そのときに、努力するんだけど、成果が出ないので、なぜだろうと。

教えている資格の学校でも、同じテキストを使って同じように教えていて、受かる人と受からない人がいる。

この違いはなんだろうと考えるようになりました。

それで、いろいろ調べていくうちに、科学的で合理的な学習方法というものがあって。成果が出る人は、それをちゃんとやっている。成果の出ない人は、不合理な学習方法に固執してしまっているということに気が付いたんです。

そして、自分も学習方法を改めて臨んだら合格できました。

それは何が違うのでしょうか。

もう色んなところが違いますね。テキストの読み方、記憶の仕方、思考の進め方、問題集の使い方。

1番分かりやすいのが、なかなか受からない方は、過去問を最後の腕試しと思って使っているんですよ。

ところが、合格者の人は、最初のまだ分からないうちから使い出すんです。そうすると、どこが試験に出るか分かりながら、テキストを見たり、授業を受けたりできるので。試験に直結という意味では、効率の良い勉強方法ができます。

アウトプットを意識してインプットをするという。

そうです。それが分からないと、1ページ目から一所懸命に全部読まないといけない。だけど、あれだけ膨大な量の勉強になると、ほぼ無理という。

その学習法というのは、色んな生徒を見てこられて分かるんですか。

学校にいたので、勉強方法のアンケートをずっと収集していて。そのデータをレーダーチャートに起こしてみて、合格者とそうでない人の勉強の形が違うということが分かって。

勉強の量とかはあまり違いはないんですか。

ないですね。会計士とかになると、結構、東大とか早稲田とか、勉強してきた人たちの集まりだからですね。

でも、その中でも一部の受かる人と、圧倒的多数の不合格になる人に分かれるんですよ。だから不思議だなと思って。

膨大な範囲のある中で、論文の勉強というのがイメージできないんですが。

論文となると、知識の体系化ですね。

会社法という法律だったら、上から株式会社の二大原則があって。そこから法律が作られているんです。そうした会社法の設計図を頭に入れて。

そういった法律設計の思想というか。そのあたりから理解しておかないと書けないと。

そうなんです。その勉強の仕方が分からないと、論文の文章を覚えるだけになっちゃうんですよね。

でも、小学校とか中学校では、そういうことは習わないですよね。問題解いて答え合わせをしてという勉強になってしまうので、会計士みたいな専門知識のところに行くと通用しないという。

そういうことは資格の学校でも、教えられてないんですか。

ないですね。やはり会計士を勉強しているのは、それなりに腕に覚えのある人たちなので。

自分の勉強法があるんですね。

そうなんですよ。学校の側もできるだろうというところで教えるので。いちいち勉強方法とかを言わないですね。

だから学校では優秀な成績を修めていた人でも、壁にぶつかってしまう。

やり方を変えないといけないんですけど、それまでの自己流の勉強法に固執しちゃうもんだからですね。

そのあたりから教育分野の課題を解決されたいと考えられるようになるわけですか。

そうです。学校がそういうことを教えないからですね。自分がそれをカリキュラム化して、日本とか、これから経済発展するアジアとかに、このカリキュラムを持っていきたいなと思うようになっていきました。

会計士に合格されてからは、どういった進路になるんですか。

大半は監査法人か、会計事務所か。
私の場合は、熊本の会計事務所に入りました。そこで3年間実務に就きまして、その後に独立して、今に至ります。

アクティブ・ラーニング教材「M-Cass」


m-cass

先日、ボードゲームで会社経営をしてビジネスを学ぶ「M-Cass」を体験させていただきましたが、あれはいつぐらいに作られたんですか。

M-Cassは、実は10年以上前、学校で簿記を教えていたときに作ったんです。

そのときは職業訓練の簿記の講座で、かなり時間に余裕のあるカリキュラムだったんです。そこで、簿記の試験勉強よりも、実際にお仕事で役立つものを作れないかなと思いまして。

じゃあ言ってみたら、作る必要もなかったけど、平井さんのプラスアルファの優しさと言うか、サービスで作られたわけですね。

そうですね。(笑)

自分も最初は簿記の勉強で苦労をしましたし。何かもっと楽しんでできることを作れないかなということで、いろいろと考案した結果、M-Cassができました。

簿記を教える立場になって分かったのが、簿記3級は勉強の入り口であり、すべてなんだなということです。3級が分かっていなかったら、1級の試験に受かっても、本当の意味で理解していないんだなと分かったんですね。

学校では、そういうことはあまり教えないんです。図解を書いて問題を解くやり方みたいな、受験テクニックを中心に教えるので。だから、その基本原理を体感的にゲームを通して学べると良いのかなと思っています。

体系化して学べるというのも大きいのでしょうね。

そうですね。簿記の教材とかも、帳簿が全部バラバラなんですよね。だから、帳簿をどういう風につけていって、最後に決算書がどうやってでき上がるのか分からない人が大半です。簿記を勉強されている方でもですね。

M-Cassで体系的に学ぶと、その中の一部分が簿記の問題として出てくるんですよね。だから、全体の流れのどの部分が問われているんだなと分かるので、簿記を勉強する上でも違いが出てくるかなと思います。

知識階級の支配に騙されない


教育分野の事業で、実現されたいことはなんですか。

学習方略ですね。
科学的で合理的な学習方法のカリキュラムを作って、日本やアジアのほうの人たちに身につけていただく。それによって、「知識階級の支配に騙されるなよ」と。

自分が会計士の仕事をしていて思ったんですけど、知識階級って建前が上手なんですよね。見た目の資料はすごいものを作って、何かえらくすごいことをしているように見せるのが得意というか。

コンサルとかも、美しいパワポの資料を作るのが仕事みたいなところがあるらしいですもんね。

ですよね。作ったら仕事おしまいみたいな。

日本の制度も、全部建前ですもんね。それを知って、「あー。みんな騙されるんだな」と。だから、そういうのをちゃんと見抜くような人材を作れたらなというか。「騙されるなよ」という。

そういったことが動機としてありますね。

肩書きとか、学歴とか。

そうです。大概の方が、自分が勉強しても不合格だったら、自分の能力がないせいだと思っちゃうんですよね。ふつう、思いますよね、自分もそうだったんですよ。

でも、よく調べてみたら、やり方が違うというだけの話なんですよね。

その知識階級に騙されないためには、何が必要なんでしょうね。

相手の偉そうな人が言っていることを、「待てよ、これ本当かな」というふうに、自分で調べる力ではないでしょうか。

それが小学校からの勉強って、ただ先生が言う模範解答を見て、そのとおりにやって、答え合わせをしておしまいみたいな感じで。それは考えているようで、実際は考えてないですもんね。

そうじゃなくて、自分で考えられる力をつける。そうすると、偉そうな人の言うことでも、鵜呑みにしないで済むのかなと思います。

だから、特に会計分野に絞っているわけではないんですよね。

はい。勉強法というところでは、どの分野でも関係なくできますね。

M-Cassはボードゲームですし、お試しの体験版として入りやすいかもしれないですね。

そうですね。計画しているのは、1日目にM-Cass、2日目に学習方略のセミナーという形です。まずは全国のあちこちでワークショップを開催して、1人でも多くの方に体験していただくというのが目標かなと思っています。

Well-Being
https://bokiron2000.jimdo.com/

※記事のお写真はすべて平井さんよりご提供いただきました。

クラクラ佐藤
(レベル7)