コラム クラクラ編集部

著書『やり抜く力』から、成功する人の共通点を考える

聞き上手
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才能だけでは成功できない


アンジェラ・ダックワース著『やり抜く力』(ダイヤモンド社)から学ぶ2回目。

1回目はウエストポイントについてでした。
著書『やり抜く力』から、米国陸軍士官学校を知る

2回目は成功できる人の共通点についてです。

 

かい摘みます。

 

  「成功の心理学」の研究

(前略)業界でも屈指のビジネスパーソンや、アーティスト、アスリート(中略)などを対象に、インタビュー調査を行っていた。
「業界でトップの人びとのお名前を挙げてください」
「どんな人たちですか?」
「その人たちには、どんな特徴があると思いますか?」 (p.20)

<業界トップの人の特徴>

○ 幸運と才能に恵まれていた

○ 情熱、断固たる強い決意があった

○ 並外れて粘り強く、努力家だった

→ インタビューでは多くの人が、ずば抜けた才能に恵まれながら、その力を発揮しないうちに、挫折や興味をなくし、途中で辞めて周囲を驚かせた人たちの話をした。

→ 同じように、はじめは評価が低かったが、驚異的な粘り強さで努力を続け、成功していった人たちの話もあった。

幸運と才能に恵まれているだけでは十分ではなく、それと共に成功に必要なのは、挫折したあとの継続。失敗しても挫けずに努力を続けることが成否を分ける。

そして継続するには、情熱強い決意が重要になる。

(前略)どんな分野であれ、大きな成功を収めた人たちには断固たる強い決意があり、(中略)自分が何を求めているのかをよく理解していた。決意だけでなく、方向性も定まっていたということだ。 (p.23)

結果を出した人の特徴、「情熱」と「粘り強さ」がグリット(やり抜く力)であり、このグリットを測定するテスト『グリット・スケールhttp://angeladuckworth.com/grit-scale/)』を作成し、研究を進めた。

才能とグリット(やり抜く力)は別物


   ウエストポイントのグリット調査

2004年7月、米国陸軍士官学校の1,218名の士官候補生がグリッド・スケールのテストを受けた。

○ 入学審査の総合評価スコアとグリット・スケールのスコアとの間に関係は見られず、当初予想された、優秀な士官候補生が「やり抜く力」が強いということはなかった。

○ 訓練を耐え抜いた人と脱落した人を比較すると、グリット・スケールのスコアでは差が如実に出ていたが、総合評価スコアでは差異がほとんど見られなかった。

→ 厳しい訓練を耐え抜くのに、総合評価スコア(学力、体力、軍隊への適性)は問題ではなく、重要なのは「やり抜く力」。

  営業職のグリット調査

リゾート会員販売会社の営業職、数百名の男女を対象に調査。

○ 半年後にその企業を訪ねると、55%の人が辞めていた。

○ グリットのスコアが高かった人は残り、低かった人は辞めていた。

○ 性格テストで調査した「外交性」「情緒の安定性」「誠実性」などの特徴は、グリットほど的確な判断材料にならなかった。

  公立学校のグリット調査

シカゴの数千人の高校2年生を対象に調査。

○ 約1年後、12%の生徒は中退していた。

○ 卒業した生徒はグリットが高かったことが分かった。

○ 「どれだけ学校が好きか」「どれだけ真面目に勉強に取り組んでいるか」などの調査結果は、グリットほど重要な判断材料にならなかった。

  コミュニティ・カレッジと4年制大学

アメリカ人を対象にした大規模な調査。

○ 4年制大学を卒業した人より、コミュニティ・カレッジ(地域短期大学)を卒業した人のほうが、わずかにグリット・スコアが高かった。

○ コミュニティ・カレッジの中退率は80%にもおよぶ。そんな状況でも、めげずに卒業した人はグリットがずば抜けて強かった。

  スペリング・ビーで勝ち進む子どもたち

英単語のスペルの正確さを競う「スペリング・ビー」。

コンテストの年齢制限は15歳。

決勝戦は毎年ワシントンDCで開催される。3日間の手に汗にぎる激戦は、(中略)スポーツ専門チャンネル、ESPNで生中継される。この決勝戦に出場するには、まず全米の何百もの学校から集まってくる何千人もの生徒に、スペリングで打ち勝たなければならない。 (p.31)

決勝戦出場者273人のうち、約2/3の生徒(7歳〜15歳)から調査の回答を得た。グリット・スケールへの回答と練習時間の報告。副標本として、一部の生徒に言語知能テストを実施した。

○ 平均的な練習時間は、平日1時間以上、週末は2時間以上。生徒によって大きな差があった。

○ 言語能力は全体的にずば抜けて高いが、生徒によって著しい開きがあり、天才児レベルもいれば、ごく平均レベルの生徒もいた。

○ 言語知能指数とグリットはまったく相関せず、言語能力の高い生徒は、言語能力の劣る生徒よりも練習時間が短く、コンテストへの出場歴が少ないことが分かった。

○ 言語知能のレベルも、大会を勝ち進む生徒を予想する判断材料になることが分かった。

○ 決勝戦の何ヶ月も前に測定したグリット・スコアを見れば、大会で誰がどの程度の結果を残すか予想できた。

つまり「やり抜く力」の強い生徒たちは、どんどん勝ち進んで行ったのだ。彼らは(中略)人より何時間も多く練習し、たくさんのスぺリング・コンテストに出て場数を踏んだのだ。 (pp.32-33)

  名門大学の学生のグリット調査

アイビーリーグの名門大学の学生を対象に調査。

○ 「大学進学適性試験のスコア」と「やり抜く力」は逆相関の関係にあった。

→ 大学進学適性試験のスコアが高い学生は、ほかの学生よりも平均的に「やり抜く力」が弱かった。

 

ウエストポイントから始まり、色んな分野で調査をしていった結果、その共通項に「グリット」があるというお話。

ここまで色々出されると、「グリット」がジャンルを問わず重要な成功の鍵だというのは説得されました。

そして、才能があっても、それを生かせるかは別の問題、別の能力で。

もしかすると、その能力が天才的なのがメジャーリーガーのイチロー選手なのかもしれませんね。

努力をする天才

イチロー選手の名言を、心理学者が科学的に証明している本にも見えてきました。

 

この本の何が恐ろしいって、これがまだ第一章までの内容ということ。笑

 

ここからグリットをさらに深掘りして、さらにそれを伸ばす方法まで考えていくという内容になっています。

 

この続きは、多分、また次回。


(参考文献)

やり抜く力 GRIT(グリット)』Angela Duckworth