コラム インタビュー

チャイルドマインダー高井眞弓「孤育てをなくして、子育てが楽しい環境を作りたい」

チャイルドマインダー

クラクラ ×  jenne


女性の就活から終活までの”輝き支援”を展開する「jenne (ジェンヌ)」。
そこでつながり、互いにエンカレッジし合いながら、熊本で様々な活動に挑戦されている方々を紹介していきます。

今回は、チャイルドマインダー熊本の会「Yell(エール)」代表の高井眞弓さんにお話を伺いました。

子どもに関わる仕事がしたい


子どもが好きで、小さいときから保育士になりたいと思っていました。でも、ピアノも習ってなくて弾けない、絵も下手。保育士になるのは無理と諦め、看護大学に進学し、看護師になりました。そして、就職先の病院では小児科を希望、配属されました。

やはり子ども関係なんですね。

そうです、子どもが好きなので小児科に・・・そして後悔。

後悔ですか。

そうです。大好きな子どもたちに、検査や注射などの痛い思いをさせるのですから・・・。なぜ小児科を希望しちゃったんだろうと思いました。それでも小児科に3年半、その後、外科に3年半勤務し、主人の転勤が決まっていたので結婚退職しました。

熊本を離れられたんですか。

はい、福岡に行きました。結婚とともに子どもができ、専業主婦として子育てに専念しました。長女が小学校に上がるころ、地元新聞の情報誌の読者スタッフとなり、そのまま10年、読者スタッフの担当スタッフ兼ライターをしていました。その当時、取材協力してくださった先生の勤務先でチャイルドマインダー講座のパンフレットが目に入り、チャイルドマインダーの存在を知ったんです。

子ども関係だったので、アンテナに引っかかったんですかね。

これまでの仕事を続けて良いのか、もっと自分のやりたいことをしたほうが良いのではないかと、考えている時期だったからでしょうね。本当に自分が何をしたいのかと考えたら、やっぱり子育て関係の仕事をしたいと思っていました。そんなときに、チャイルドマインダーと出会ったという感じですね。

それでチャイルドマインダーの仕事を始められて、今はどれだけになるんですか。

5年になります。チャイルドマインダーの資格を取って、個人事業として「Mommy’s Charm(マミーズ チャーム)」の屋号でお預かりを始めましたが、1人でやっていると、同じ時間帯に依頼が入ったり、移動の時間がなかったりして対応できなければ、お断りをしないといけない・・・限界がありました。

断ってしまったら、お母さんたちが困ってしまう。どうにかできないかなと思って立ち上げたのが「Yell(エール)」です。チャイルドマインダーの資格を持つ人の任意団体で、登録制とし、その中で仕事をシェアしています。

チャイルドマインダーはどういった働き方があるんですか。

いろいろな働き方ができます。私のように訪問型の託児をしている人、他のお仕事と併用している人。例えば、平日は美容系の仕事をしていて、予約がないときにチャイルドマインダーの仕事を入れていたり、将来チャイルドマインダーとして仕事をしたいけど、今はまだ仕事は辞められない、でも子どもと触れ合いたいので、土日だけでも、イベントの託児をしている人など色々です。

働き初めの時期は自信が持てない、自分だけでは心配という人も、イベントの託児でほかのチャイルドマインダーと一緒に働き、ほかの人がどんな託児をしているか見られるので勉強になるという声もあります。

そうやって経験を積んだり勉強できて、個人でやっていきたい人の良い受け皿になっていますね。「Yell(エール)」に登録したら、研修などもあるのでしょうか。

スキルアップ講座を定期的に行っています。保育所入所活動(保活)の時期には子育て新制度の勉強会、インフルエンザが流行る前には感染症の予防方法や初期症状の対応など、チャイルドマインダー+ αで、何か役に立つものを身に着けるように考えて行っています。

子育てが楽しいと思える環境を作りたい


「Yell(エール)」に依頼する側も、登録制なんですか。

はい、事前に登録のために一度お会いすることを基本としています。お子様の性格、好きなこと・嫌いなこと、注意してほしいことや保護者の教育方針など、事前に聞き取りをして『お子様カルテ』を作成します。

登録をしておけば、「明日お願いします」と言われても対応できます。事前にお会いすることで、お子様・保護者をより知ることができますし、保護者もどんな人物がお子様をお預かりするのか分かってもらえます。お母さんたちも安心して託児依頼していただけるのではないかと思います。

チャイルドマインダーは、どんな利用が多いんですか。

日中は保育園に預けているけど、残業が入りお迎えに間に合わない場合や、日曜・祝日に仕事が入ったけど、子どもを預かってくれる人がいない場合、ママが美容室に行く時間だけ預けたいという場合もあります。

そんな隙間でも頼めるんですね。

保護者と一緒に預かり方を考えています。どういった依頼があるか、Facebookページで具体例を紹介するようにしています。

Facebookページには、「Yell(エール)」の理念みたいなものも掲げてありますが、その辺りの想いを教えてください。

私たちの理念は「子育てが楽しいと思う環境を作る」ことです。子育てが楽しい、子どもを産んで良かったと思ってもらいたい、そんな子育てのお手伝いをしようというのが出発点です。

自分が子育てをしていたころ、困ったことやこんなサービスがあったら良いなというものを作ろうと思いました。

「ちょっと困ったときに、頼む人がいない」とかですか。

そうです。自分の子育て中は、夫の仕事で転勤が多かったこともあり、周りに知り合いがいない「孤独な子育て」でした。まさに「孤育て」。つらくて、あんな思いをするのであれば、もう子どもを産まなくても良いと思ったんです。

縁もゆかりもないところで子育てをしていたら、つながりがないですよね。

アクティブな人であれば児童館に行ったり、色んなママたちのサークルに入ったりして、ママ友を作れると思いますが。私はできなくて、子どもと二人で公園に行くのも勇気がいることでした。

ある児童館に行ったときは、お母さんたちはグループができていて入りにくく、結局、行けなくなってしまい、ますます孤独になりノイローゼ気味になりましたよ。髪を切りたくてもそのちょっとした時間、子どもをお願いできる人がいなかったんです。

少しでも離れられる時間があると、息抜きできるのでしょうね。

少しの時間、離れているだけで、帰ったときに子どもが可愛くて仕方ないと思います。1時間ぐらい離れているだけでも、「わが子はどうしているかな、泣いていないかな」など、いろいろ考えるんですよね。そして、早く帰ってあげたいと思うようになって。帰ってからは子どもに優しくなれるんですよ。褒めてもあげられる。

少し離れてみると、そういう発見があるんですね。

3人のお子さんがいらっしゃるお母さんの話ですが。上のお兄ちゃん、お姉ちゃんの授業参観に、それまでは2歳の下の子を連れて行かれていたそうなんです。

転勤族で実家も遠く頼れない。ママ友にお願いしようと思っても、元気すぎて大変だし、同じ日が行事では頼めないしと、諦めていたそうです。

それで、授業参観の間、ご自宅でお子さんを預かってほしいというご依頼で、2時間半ぐらいでしたが、ご自宅でお預かりしました。2歳の子は叱られることもなく、自宅で好きな遊びをして過ごしました。

お母さんは帰宅と同時に2歳の子を抱きしめて、子どももママに抱き着いてすごく良い笑顔でした。お母さんからは「きちんと授業を見られたし、懇談会でも先生とゆっくり話ができました。その上、久しぶりに上のお兄ちゃんと手をつないで帰ってこられたんです。お兄ちゃんも私も嬉しかったです」と涙目で話されて…。

そうか、手をつなぐときは、下の子2人ですもんね。

そう、お兄ちゃんと手をつないで帰るというのが、下の子が生まれてから無かったと。お兄ちゃんがとても嬉しそうだった、本当に助かりましたと言われました。それからは授業参観のたびにリピーターになっていただきました。

ご自身と同じように転勤族で、頼める人が周囲に少ないお母さんをサポートできているというのは、やりたかったことが1つ実現していますよね。今後の目標としては、どういったことがありますか。

チャイルドマインダーは「親と一緒にお子さんが育つように環境を考え提供する」という理念ですので、ぜひ、継続してお付き合いができればと思います。信用していただいて、気軽に子育ての相談もしてほしいと思います。そうした信頼が『つながり』を作ると思います。『つながり』を広げていって、「孤育て」をなくして、子育てが楽しいと思える環境を作っていきたいです。

Yell – チャイルドマインダー熊本の会
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