コラム インタビュー

内藤豊インタビュー「地域活性化の理論、地域コミュニティブランド(SCB)」

熊本者(くまもとモン)GO


ごく普通の人からちょっと変わった人まで、色んな熊本者にお話を伺っていきます。

そのテーマは「熱」。
情熱を注いでいること、目標に向けて努力していること、今ハマっていることなど、自由に語っていただきます。

内藤豊さん

(くまもとモンNo.1)

内藤 豊

熊本市

地方公務員

地域コミュニティブランド


内藤さんは市役所職員なんですよね。色んなところで顔を見るから、ホントは市役所職員じゃないんじゃないかと思っていますよ、公務員の枠に収まっていないと言うか。

17時まではちゃんと仕事していますよ(笑)

私が働く熊本競輪場も震災の被害を受けていて大変な時期なので、それをどう復旧させようかというところで動いていますし、競輪場に3,196人(サイクル)のコミュニティを作りたいと思ってやっているんですけど。

それもこれも全部、『地域コミュニティブランド』という地域活性化の新しい手法を使って、本当に市民の皆さんの役に立つような活動に育て上げることができるんじゃないかと思ってやっています。

その「地域コミュニティブランド」という手法に心酔するようになったキッカケは何ですか。その出会いはいつ頃なんでしょう。

平成25年度に「熊本競輪活性化委員会」というものがあって、競輪関係者だったり、地域の自治会の方だったりが集まって、その活性化について検討する場がありました。その座長に『地域コミュニティブランド』を提唱された崇城大学の星合隆成教授に来てもらいました。

そのときに星合先生が「車券を買ってくれと言って、みんな買ってくれるんですか?」と言い始めて。「車券を買ってくれ」というのは何十年も競輪場がやってきたことなんですよ。

でも、それでは買ってくれない。

そう、それでは好きな人以外なかなか買ってくれない。

それで星合先生は「それはモノをブランディングしているから、モノを売っているからですよ」と言うわけです。

「モノじゃなくって、活動そのものをブランディングする。つながりから生まれる活動や、コミュニティから生まれる物語をブランディングする。それを売らないと、共感が生まれないでしょう」と。

それが「地域コミュニティブランド」の考え方だったんですね。その話を聞いたときは、もうカミナリが落ちたような感じだったんですか。

もう、頭をぶん殴られた感じでしたね。

地域活性化の事例とかはいっぱいあるけど、理論は無いんですよ。だから、地域活性化の理論ということで、まず面白いと思った。

そして、それがインターネットの世界で当たり前のことを、リアルな世界の地域コミュニティに持ってこようと言う。その時点で、「何や、それ!すげー!」って、思ったんですよ。

そんな出会いから、その理論の実践ということで、本業以外の時間でありながら、色々な活動をされていますよね。

週に何人の人と会っているかなという感じなんですけど、面白いんですよね。

前から思っていることがあって。
答えは自分の中に無いと思っていて。答えは外に落ちている、あるいは、答えは人と人の間にあるのかなと思っていて。

だから、その答えを探すために、人とつながっているようなところがあるんです。色んな人と会うと、自分の考えが甘かったなとか、違っていたなとか、発見があるんですよね。

そうして色んな人と会ってコミュニティを作られているわけですが、そのコミュニティは、どうやったらできるのでしょうか。そのために何が必要になるのでしょう。

活動が必要なんですよね。地域コミュニティブランドでは、「モノをブランディングするのではなく、活動に名前を付けてブランディング」と言われています。

例えば、色んなセミナーとかで名刺交換したら人がつながる。でもそれが持続して、そこから何か生まれているのかと言われれば、ほとんどそうではないと思います。

一時的なものが多いかもしれないですね。

そこには持続的な活動が必要なんですよ。

活動をやるから物語が生まれる。その物語を外に出して聞いてもらえるから共感が生まれる。だからこそ、次の新しい人が入ってくる。

人だったりモノだったりアイデアだったり。それを全部「ピア(Peer)」と呼んでいるんですけど。新しい「ピア」を呼び込もうと思ったら、物語を発信して共感してもらわないと「ピア」はつながってこない。

震災以降、色んな活動が生まれていますが、そこでも活動の継続が課題のようで。特に、お金の問題なんですか。コミュニティの活動を続けることと、お金の問題についてはどうお考えですか。

やはり悲しいかな、お金って大事なんですよね。お金があることによって活動の持続性が高まるということもあるので。

そして、モノやサービスを売らないとお金は入ってこないので、モノを売りたい、サービスを売りたいという考えはある。でも、それは何のためかと言うと、活動を継続するためにやりたいと思っているということです。

なるほど、お金を稼ぐために活動をするのではなくて、活動を継続するためにお金を稼ぐ。目的は活動継続によるコミュニティ作りですもんね。

そうです。何のために地域コミュニティブランドをやっているかと言ったら、持続可能なコミュニティを作るためにやっています。

そして、それは放っておいてもできないんですよね。活動が伴わないと。

そう、できない。P2Pの手法を用いて人的ネットワークを作っていく。それを持続させていく。それが命題です。

※P2P (Peer to Peer)・・・コンピュータネットワークの手法。サーバーを介さずコンピューターやスマホを直接接続する。LINEやSkype、Bitcoinなどに用いられている技術。

今後、さらに、どういう人とつながってコミュニティを作っていきたいですか。

地域コミュニティブランドの17箇条の第9に「誰でも参加自由」というのがあるので、基本的には誰とでもつながるんですが、やはり、つながりを重視する人、つながって何か自分の課題とかを解決したいと思っている人。そういう人とは積極的につながっていきたいと思っています。

お金を払って外注すれば解決できることも多いと思うんですけど、金の切れ目は縁の切れ目で、お金がなくなったら、その人たちは見向きもしなくなる。

だから、そこに「コミュニティの力」を信じたらどうですかと。
本当にあなたが世の中を変えようとしている、私利私欲の為だけに活動をしているんじゃない、一緒になってこの喜びも、ある意味この利益も、シェアしたいという人ならば、ずっと一緒にやっていけるような気がするんですよね。

特に、このモデルが成功してくると、そういう想いではない人もつながってくるのかなという気もするんですけど、その場合は、つながりを排除することも必要なのでしょうか。

多分、そういうつながりは続かないと思います。お互いに付き合いきれなくなるでしょうね。

エコシステムの自浄作用みたいなものが働いて、自然と淘汰できるというイメージですか。

そうですね。ただ、最初にルールとか、コンセプトは決めておかないといけないと思います。

どうしてもフリーライダーの問題があって、そういう人が増えてくるとコミュニティは崩壊してしまうので。自分だけリソースを食って貢献しない人は排除しなくちゃいけないのかもしれないですね。

その辺も含めて、今やられている活動は、ある意味、実証実験になっていますよね。

そうですね。実は、来年4月から地域コミュニティブランドを学ぶために大学院に行くんです。崇城大学の博士課程に。

え、それはもう決定なんですか。

もう試験も終わって、入学金も払いました(笑)

だから、論文を書かないといけないんですよ。そのためにも活動を続けていきながら、地域活性化の理論、つながりの理論のモデルを作らないといけないですよね。

これからも内藤さんの活動は加速していきそうですね。地域コミュニティブランドの手法を使った活動やコミュニティから、どういったことを実現していきたいですか。

今、世の中の人たちは、モノが売れないとか、人に知ってもらえないとかで困っていると思うんですけど、地域コミュニティブランドは、それをある意味、可能にするんじゃないかなと思っているんです。しかもお金をかけずに。

お金をかければ何でもある程度できると思うんです。でも、みんなお金を持たないので。特に熊本は、都会と比べたら持っていないですよね。

でも、気概はあるし、物語を持っている人は沢山いるんです。これを熊本の中で終わらせるのではなく、グローバルな地域を越えたところまで持っていかないといけないと思っています。

例えば、地域コミュニティブランドのプロジェクトが全国に約50あるので、そのプロジェクト同士がつながって何かやり出すとか、そういう状況に持っていかないといけないと思うんです。

そうして、色んな人たちが地域コミュニティブランドの理論を取り入れることで、ブランディングに成功したというようになれば嬉しいですね。

地域コミュニティブランド
※地域コミュニティブランドを実践する「果樹農家ハナウタカジツ」さんにSCB自転車塾のライド企画でお邪魔したときの一枚

SCB自転車塾
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くまもと3196コミュニティ
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SCB復興期支援プラットフォーム
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※記事のお写真はすべて内藤さんよりご提供いただきました。

クラクラ佐藤
(レベル1)