コラム インタビュー

おうちご飯のプロ「弁当の信長 下村幸奈」インタビュー

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弁当の信長看板娘
photo:下村さんより提供していただきました

熊本人物キュレーション<ビジネス編>


熊本の起業家、事業者、フリーランサーのルーツを紹介し、独立のきっかけ、ビジネスへの想いを紐解きます。

今回は、おうちご飯のプロフェッショナル『弁当の信長』代表 兼 看板娘の下村幸奈さんにお話を伺いました。

意志を継いで弁当屋に


生まれも育ちも熊本です。高校3年生のときに、突然、父が弁当屋を始めました。そのときは「何をしてるんだろう?」と思って見ていました。高校卒業後は、大学進学で教育学部に進みました。

その当時は、将来自分が弁当屋を継ぐとは思ってもいなかったのでしょうね。

まったく思っていなかったですね。

当時は教員になろうと思われていたんですか。

教員になろうとも思っていなかったです。そこら辺の時期は、目標とか明確になっていなかったんですよ。

まあ地元の国公立の大学に進学できれば良いや、みたいな。

そうですね。教育学部も、友達が教育学部に行きたいと言ったから、教育学部にしたような感じでした。

卒業後はどういった道に進まれたのですか。

アパレルメーカーに就職して、鶴屋百貨店で働いていました。それから、すぐに結婚したんです。それで仕事を辞めて専業主婦になって、荒尾に5年、山都町に2年住んで、6年くらい前に、熊本市内に戻ってきました。戻ってからはパートみたいな感じで、実家のお弁当屋さんの手伝いに行くようになりました。

そのときから、今のように「看板娘」をされていたんですか。

いや、そのときは短い時間で、配達とかの手伝いをしていました。

そして去年、お父様が体調を崩されて、継がれることになるわけですね。

そうです。お店はほとんど家族経営だったので、辞めるか、続けるか、家族会議をしました。当初は、継ぐ気もさらさら無かったので、辞めちゃえばとも思ったんですけど、父は弁当屋を辞めたくなかったみたいだったので、そういうわけにもいかないなと思って。周囲からも、励ましや応援の言葉を頂いて、背中を押していただきました。あとは、一つのきっかけとして、私が結婚を卒業しまして。

それが、腹をくくるきっかけになったじゃないけど。

そうです。だからフルタイムで仕事をしようと思っていた時期で。そうして、色んな契機が重なって。

「じゃあ、頑張ってみようかな」と思って決断したのが、2015年の11月でした。

『弁当の信長』の野望 「弁当屋を可愛く」


継がれるにあたって、まず何から着手されたんですか。

お店の知名度を上げようと思っていますね。

それで「看板娘」として、ご自身が広告塔になられているわけですね。

はい。それと「のぶねこ」というキャラクターを作ったんです。信長みたいな目つきにして、ちょんまげをつけたら可愛いかなと思って。

二代目になって、それまでとは変えられたこと、新たに取り入れられたことはありますか。

もともとは配達が多いんですけど、来店客が増えるように変えようと思ったんです。それで「看板娘」と言い始めて、私は配達に回らず、店に絶対いるようにしました。

看板娘がいると、顔を見に行くという目的ができますよね。

そうやって顔を見に来てもらって、お話しができる。お客さんとの距離が近いのが、小さなお弁当屋さんならではだと思います。

取り入れたことで言えば、雑穀米を取り入れました。そして『インナービューティーダイエットアドバイザー』という資格を取ったので、それを活かしたお弁当を作ろうかなと考案中です。

だから健康を意識した信長弁当と、ミックス弁当といって、男性が好きそうな揚げ物だけの弁当と、両極端なメニューになっています。

信長弁当
信長弁当

それで信長弁当と雑穀米のお市弁当は、おかずが日替わりなんですよね。毎日のように来られる方もいらっしゃるんじゃないですか。

そうですね、信長はリピーターが多くて、私も信じられないけど、毎日来てくれる方が沢山いらっしゃいます。ありがたいですよね。

人気の南蛮弁当
人気の南蛮弁当

リピーターさんが多いんだったら、常連さんが顔を見せなかったら「最近この人見ないけど、元気かな」と心配になりそうですね。

それはあります。しばらく見なかったら、電話したり聞きに行ったりすることもありますね。

良いですよね、コンビニのお弁当は毎日食べれないですもん。

日替わりということと、信長の弁当は安全ではありますよね。朝作っていて、夜食べたら悪くなっている可能性がある、つまり防腐剤みたいなものを一切使用していない。もし毎日食べるんだったら、防腐剤を一切使わずに作っているお弁当のほうが、体に良いのではないかと思います。

コンセプトは「おうちご飯」なんですよ。おうちでお母さんは、子どもたちのことを考えて、体に良いもの、栄養バランスを考えたものを作るじゃないですか。そういうことなんですよね。イタリアンだとかフレンチだとか、特別感のある食事は外食など、よそに任せれば良い。弁当の信長は普通なのが売りなんだと思います。

今はそういう普通の「おうちご飯」が食べられない人が増えていますよね。普通だったものが、普通じゃなくなってきていると言うか。

そうなんですよ、今はその普通の家庭のご飯に飢えている人が多いですよね。単身の方が増えて、子どもも個食化が進んでいて。

だから、温もりが伝わる「おうちご飯」に価値があるんですね。
今後も色々やっていかれたいことがあると思いますが、そのリストのトップにあるものはなんですか。

今はカレーです。先日、イベントという形でカレーを一回だけ販売したんですけど、そのカレーをいつ発売するのかと結構問合せを頂くので、それをどういう形で出すかというのを決めていきたいと思っています。

カレーはもともとメニューに無かったんですか。

無かったんですよ。それを今後、まずは週末などの限定メニューで出そうかなとか色々と考えています。

そして、今後も色んなお弁当が楽しめるイベントを企画されていきますか。

今度の828日(日)に江津湖でイベント(RUN+あーだこーだ)をします。

熊本城マラソンに出たのがきっかけで、走るのと自転車にハマっているんですね。そういった好きでやっていることとコラボして、今度のイベントは、ランニングをしたあとに信長の弁当を食べましょうというイベントなんですけど。そのお弁当の内容が、アスリート弁当なんです。走ってエネルギーを消費したあとに、何を摂取すれば良いかを考えて作るお弁当です。

面白いですね。そうやってイベントとお弁当がコラボすれば、色んな場面に合わせて食べる信長の弁当を提案できますよね。

そうですね、アスリート弁当は磨きをかけて、例えば、学校の部活動弁当につながっていけば良いなと思っています。

弁当の信長は、どういったお店にしていきたいですか。

とにかく、可愛くしたいんですよ。

可愛くですか。

今は言えるけど、昔は家が弁当屋さんだというのを、あまり言いたくなかったんです。「弁当屋さんの娘」みたいなのが、ちょっと嫌だったんですね。もともとは建築家で、そのときは納得してたけど、弁当屋の娘になったときに、何だかあまり言いたくないみたいな感じがあって。

それで今、私にも娘がいるんですけど、娘にとってお弁当屋さんが、あまり言いたくない場所のイメージでなくなると良いなと思っています。女の子なので、可愛いところでママが働いているとなると、「あそこで、うちのママは働いているんだよ」と自慢したくなると思うんです。そんなお弁当屋さんになりたいなと思っています。

なるほど、小さい女の子が、「将来、お花屋さんになりたい」、「ケーキ屋さんになりたい」みたいな感じで言ってくれるイメージですね。

そうです、そうです。
なかなか言わないでしょう、「お弁当屋さんになりたい」って。

そうやって女の子が働きたいと思うような場所、お客さんももっと女性に人気が出るような可愛らしさやおしゃれ感のある場所に、お弁当屋を変えていきたいと考えて、今も継続中です。

これからも、色んなことに挑戦していきます。

 

熊本の弁当屋さん 弁当の信長
https://www.facebook.com/nobunagaga/

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聞き上手のプロフェッショナル
クラクラ 編集部 (Who Cares/メディア)
「インタビューは、私たちなりの人への投資です。」

熊本でビジネスや地域活動に挑戦する人にスポットを当て、その生き方や取り組みへの想いを紹介します。熊本で頑張っている人を応援すること、その生き方に触発されて新たな挑戦をする人が増えていくこと、総じて熊本がもっと面白くなっていくことを目標にしています。
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