山本朋慧インタビュー【後編】「ビジネス界でも進むヨーガ療法の活用」

天素体流 山本朋慧
photo:天素体流さんより提供していただきました

熊本人物キュレーション<ビジネス編>


熊本の起業家、事業者、フリーランサーのルーツを紹介し、独立のきっかけ、ビジネスへの想いを紐解きます。

今回は『天素体流-Tenstyle』代表の山本朋慧さんにお話を伺いました。
後編では、ヨーガ療法のビジネス面での活用や震災後のメンタルケアについて詳しく伺いました。( 前編はこちら 

ヨーガ療法士の多彩なアプローチ


ヨガのレッスンはどういった場所で受けられるんですか。

主催でやっている教室が三つあります。火曜日の夜は近くの公民館(出水今公民館)で、金曜日の朝は本荘にあるレンタルスペースのDolceさんで、土曜日の朝はパレアでやっています。それ以外にも、温泉施設だったり、熊本市主催の教室が公民館であったり、また会社様の福利厚生で会社の中で取り組んでいただいたりもしています。屋外でも、自然のエネルギーを感じながらヨガをするイベントを開催することもありますよ。

※草原や湖の畔、パワースポット等でイベントも開催
※草原や湖の畔、パワースポット等でイベントも開催

会社の中で取り組むケースもあるんですね。

最初は皆さん驚かれます。「ビジネスマンにヨガですか!?」って(笑)
ですが、私たちはビジネスマンにこそ、ヨガが必要だと思っているんです。自分自身を知るツールですし、セルフコントロールが上手くなるためのツールですから。

企業の福利厚生でのヨガはどういう感じなんですか。

福利厚生で行く場合、朝礼の時間を使って、講演と椅子を使ったヨガ、呼吸法や瞑想を体験していただきます。ワークの前後で呼吸数が大幅に変わる人も多くいます。成人の平均呼吸数は1分間で16〜18回。最初は30回くらいのビジネスマンも多いです。

倍近く違いますね。

緊張や興奮をしていると、呼吸は速く浅くなります。
その方たちがヨガをして、呼吸数が平均値まで下がることはよくあることです。呼吸は誰でも行えますよね。「日常にヨガを」が私たちのテーマなんです。福利厚生で行っている会社様の中には、朝の勤務時間前や夜に、会議室や食堂で、マットを敷いてポーズを交えたヨガを行うところもあります。

※オフィスの朝礼で講演と椅子ヨガを行った様子
※オフィスの朝礼で講演と椅子ヨガを行った様子

それだけ会社に合わせて色々な導入の仕方があるんですね。

要望に応じて開催していますので、導入していただく前に、まず会社様の状況をよくお聞きするようにしています。コミュニケーションが必要なところには、そういったワークを取り入れたりもしています。肉体的な健康を求められているところにはポーズの提案をしますし、パソコン作業のちょっとした合間にできるようなヨガを教えにいくこともあります。人に色々な個性があるように、会社様によっても個性があります。それぞれの場所で何が必要かは変わってきますから。

ヨガは柔軟性を高めるエクササイズみたいなイメージがありますが、それはヨガの一つの要素に過ぎないのですね。

ヨガのポーズや呼吸法は、瞑想できる体力をつけるために、後世に生み出されたものなんですよ。ヨガの真髄は瞑想にあると思っています。ヨガの語源は「調和」や「つながり」です。“自分とつながる”=“自分を知る”ために、ぜひヨガをおすすめします。特に最近は、ビジネスマンや経営者、リーダーに自分の心を保つ手段が必要だと思います。その手段の一つとして、ヨガは有効だと思います。

孤独な経営者の心を支える、ある種のコーチングのような要素もあるわけですね。
ヨガにそうした色んな活用の方法があることは、一般的にあまり知られていないかもしれないですね。

そうした認識を変えるために今、講演活動やプレゼンテーションに力を入れています。ご興味のある企業様に色んな導入方法のご提案に行っています。アメリカでは、大手企業で「マインドフルネス」という瞑想プログラムが導入されていたりしますし、日本のビジネスの世界でもこれから必要とされていくことだと思います。新聞などでメンタルケアに人材が足りないというのを見ることがあるので、ぜひヨーガ療法士を使ってもらいたいなと思っています。

震災後のメンタルケア


今回の震災後のメンタルケアでも、ヨーガ療法士さんができることは多くありそうですね。

最近、ヨガを皆さんと行っていると、涙を流す方が地震前よりも増えた気がします。感情を抑えていたり、緊張している自分に気付かずに生活している方が多いのだと思います。震災後は特に、緊張してストレスがかかっているのに、やらないといけないことに追われているじゃないですか。それがヨガに来ていただいた時間だけでも、本当に肉体がリラックスして、心が解放される。そうなったときに、涙が溢れてくるんじゃないでしょうか。

※平成28年熊本地震、避難所(益城町)でのヨガボランティア
※平成28年熊本地震、益城町の避難所でのヨガボランティア

知らないうちに気を張っていて、その緊張が解けるのでしょうね。

悲しみとか恐怖感とか、過去の出来事に囚われていると、健やかな未来を想像できないんですよね。過去の不安を持ったまま、未来に起こるかも分からないことを想像して、また不安になる。過去と未来を行ったり来たりしているんです。だからヨガは、「今、この瞬間に集中しましょう」とお伝えするんです。その手助けに、呼吸法やポーズがあります。呼吸やポーズに集中する。湧いてくる色んな感情に捕まらずに、ただひたすら、今、目の前にあること、行為に集中する。ヨガの目的の一つは、思考を止めるということなんです。

トラウマに限らず、ちょっとした苦手なものとか、過去に囚われている部分がみんなあるのかもしれませんね。

その人の過去の経験から来るものであったり、そういう価値観を生んでしまった何らかの出来事があるんです。過去に起こった出来事は変えられないけど、起こったことに対して生まれた感情は修正することができます。認識の方法を変えてあげることができます。

なるほど、過去に起こったその事実は変えられないけど、それに対する受け捉え方は変えられるんですね。

過去の出来事に対して、ニュートラルな気持ちでいられると、未来に進みやすくなります。

最後に、このヨーガ療法士のお仕事のやりがい、醍醐味を教えてください。

ヨガを皆さんと行っていると、感謝をしていただくことがあります。「ヨガのお陰で、私はこんなに変化して、嫌いだった自分が大好きになりました」とか、そんなことを言ってもらえることがあるんです。感極まって嬉しさを抑えられないというくらいの感動、変化した自分自身への喜びや歓喜を感じていただくとき、ヨーガ療法士の冥利に尽きるなと感じます。ヨガは、先生のやっているとおりにやらねばならないものではありません。「あなたが、あなたになること」「あなたらしく生きること」のお手伝いをします。そこに気付いた人が表す歓喜の表情や笑顔をみるのが、私の一番の幸せです。

天素体流-Tenstyle-

天素体流(テンスタイル)
http://www.tenstyle.jp/