悩み解決のプロ「熊本探偵社 渡邉博俊」インタビュー前編

熊本探偵社

熊本探偵社


熊本市東区東野、健軍商店街近くのビルの2階にある「熊本探偵社」。探偵という馴染みがなく少し怪しげなイメージが変わるような、オープンで優しい雰囲気の探偵事務所です。

今回は、代表の渡邉博俊さんにお話を伺いました。

探偵としてのスタート


21歳のとき、働いていた設備工事の会社が店を畳むことになりました。その会社の社長は幼なじみのお父さんだったこともあり、「もし良ければ、責任を持って次の就職先を紹介するから」ということで紹介されたのが探偵事務所でした。

最初、探偵事務所と聞いてどう思いました。

驚きました。「そういう仕事が熊本にもあるんだ」と思いました。信頼できる方からの紹介だったので、とりあえず面接に行ってみました。

それで無事に内定となった。

「やる気があるなら、試しに1カ月来てみろ」ということになり、入社しました。教育係の上司に同行して、現場で探偵のいろはを叩き込まれました。

事前に教えられるわけではなく、現場で「まずは自分でやり方を考えろ」と言われ、自分が考えた通りに行動すると「今の自分の行動を客観視してどう思う」と聞かれて指導を受ける。

何も分からないままやって、失敗して、説教されて覚えさせられるという感じでした。厳しかったですね。最初の時期は仕事に行きたくなくて胃がキリキリしていました。

1カ月やって探偵という特殊な仕事はどうでしたか。

とにかく辛かったです。

昼夜関係なく色んな現場に同行し、探偵としての考え方ややり方を体に叩き込まれる毎日でした。「こんなにキツくて辛い仕事なら来るんじゃなかった」と正直思いましたよ。

でも自分に負けたくなかった。すぐに弱音を吐いて音を上げる人間には鳴りたくなかった。その一心だけでしたね。

その後そこではどれくらい務めたのですか。

5年ほど務めました。

会社は40年ほど続く老舗の事務所ということもあり、探偵としての基礎を学ぶことができたと思います。

そして、とにかく忙しかったのですごく濃密でした。おそらく、普通の探偵事務所の数倍のペースで働いていたと思います。

そして別の事務所に移った。

独立して忙しくなり始めた先輩の事務所を手伝うことになりました。

県外にも支店があったので、そちらの案件もカバーして、がむしゃらに働きました。寝ずに働くことも珍しくありませんでした。

若かったから無理ができたのだと思います。

そこでも4年ほど働きました。

順調に独立とはいかず


それで独立を決意して退職されたわけですね。

いやいや、それが違うんです。辞めたのは、尋常じゃない忙しさが続いて、精神的に参ってしまったからなんです。

中間管理職みたいな状況で。現場を任されて、下に指導する部下を抱えて、上も下も気にしながら、毎日休みなく熊本と県外を行き来して、時には寝なしで働いていることもあって。

でも「自分は根性があるから大丈夫」と思っていたんですよね。今までも激務をこなして乗り越えてきていたので「全然大丈夫」と自分に言い聞かせてやっていました。

そうしたら大丈夫じゃなかった。

いきなり心が折れたんです。ボリッとね。

急に、仕事に集中できなくなって。現場でミスが出はじめて。

今、説明しろと言われても上手く説明できないんですけど。心にぽっかりと穴が開いたような感覚と言うんですかね。自分が自分じゃないみないな。

それで病院に行ったんですか。

病院には行きませんでした。行ったら、たぶん鬱病とか病名が付けられてしまう。それが嫌で。

認めたくなかったんですね。それでどうしたんですか。

社長に相談しました。休めと言われましたね。

でも嫌だったんですよね。自分が休んだら、その分の穴を埋めるために他のスタッフにしわ寄せがいってしまう。それが嫌で。

それで、その後も仕事をやっていたんですけど、やっぱり無理だった。このままじゃ逆に迷惑をかけてしまうと思い、それで休みをもらいました。

自宅療養をして3週間くらい休みました。その間は家族や友人が気にしてくれて、リハビリみたいにして、外に連れ出してくれました。ありがたかった。

そして3週間くらいして、大丈夫かなと思えるようになりました。それで現場に戻ったんですが、結局、大丈夫じゃなかった。でも、辞めて迷惑をかけるのが嫌で悩んでいました。

周囲に「このまま続けて壊れるより、辞めて新しい道で頑張った方がいい」と背中を押してもらって、ようやく辞める決意ができました。

自分を取り戻して再出発


そして新しい道を探すことにした。

退職後に、別の仕事をしようと思い、職業訓練校に行きました。

訓練の中で、就職のために自己分析をして自分を見つめ直す機会がありました。ボロボロになりながらも培ってきた探偵の仕事を思い出しました。

結果をキッチリ出してきたという自負があり、探偵のスキルなら誰にも負けない、そう思える自分がいました。

誰にでもできる仕事ではなく、誰にも負けないスキルを活かして人の役に立ちたい。そう思い独立しました。

探偵という仕事のやりがいは何でしょう。

依頼者は誰にも言えないような悩みを持って、最後の頼みの綱で来ます。

相談を受けていると、「この人のために頑張らないと」となりますよね。結果を出して、報告して、最終的なゴールまで上手くいって感謝していただいたときは「あー、頑張って良かったな」と心から思いますね。

ある部分では、その人の人生にも関わることもありますよね。

そうですね、そういった悩みを抱えた方の手助けができる、自分の培ったスキルを使って。そこですかね。

(後編へ続く)

(後編)『良心的な探偵の見分け方とは』

熊本探偵社
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